こんにちは、ギェギョポンです。
肉眼で見えるくらいに明るくなっている紫金山・アトラス彗星を、東京都内(23区内)で見ました。写真も載せています。どんなふうに見るとよいかも説明していますので、参考にしてください。
本文
写真
下の写真で、中央やや下に見えるのが紫金山・アトラス彗星1です。かなり地平線に近いところに見えています。
もう少し拡大した2のが下の写真です。
尾が左上に向かって長く伸びているのが見えます。その先に星が見えていますが、星までの半分以上は尾が伸びているように見えます。
どうやって見るか
紫金山・アトラス彗星を最初に見たのは10月13日の夕方です3。時刻が遅くなると彗星の高度が低くなってしまいますので、西の空にまだ明るさが残る早い時刻(日の入り4の30分後くらい)から見始めました。
いきなり肉眼で見るのは難しいかもしれないと思い、最初は双眼鏡を使いました。双眼鏡では簡単に見つけることができました。
彗星の位置が一度わかると、肉眼でもなんとなく見えているような気がしました。
彗星は日々移動していきますので、見る日によって見える位置が違います。国立天文台の解説ページに、それぞれの日に彗星がどこに見えるかが描かれた図がありますので、参考にするとよいと思います。
参考のため、もっと広い範囲の空が写った写真を載せます。
左端に見える明るい星が金星です。真ん中の建物の上に、うっすらと紫金山・アトラス彗星が見えます。右上に見える星が、うしかい座のアルクトゥルスです。
この写真と国立天文台の図を見比べると、彗星が毎日どのあたりに見えるかが想像できるのではないかと思います。金星とアルクトゥルスとの位置関係から彗星を探すと見つけやすそうです5。
位置の変化
一日経つと彗星の位置は大きく変わります。
10月13日と14日の同じ時刻(17時58分)での彗星の位置を写真に描き込んでみましたので参考にしてください6。
これからどうなるか
彗星は、これから日に日に高度が上がっていきます。それにつれて、沈む時刻が遅くなり、空が暗くなってからも沈まずに見えているようになりますので、その意味では見やすくなっていきます。しかし、同時に彗星はだんだんと暗くなっていきます7ので、見えづらくなってもいきます。
はたしていつ頃まで私たちを楽しませてくれるでしょうか。
その後の写真
10月14日
10月14日は薄雲が多かったため、双眼鏡を使っても、彗星を見つけるのはなかなかたいへんでした。でも、写真で拡大すると、結構立派な尾が写りました。
10月15日
10月15日にも彗星を観察しました。
薄雲がありましたが、14日よりは雲が薄かった印象です。
写真には写りましたし、双眼鏡では見ることができましたが、位置はわかっていても、肉眼では見つけることができませんでした。
拡大すると長い尾が見えます。ただ薄雲が多く、どこまでが彗星の尾なのか、どこからが雲なのか、区別がつきません。
10月20日
20日は、久しぶりに晴れて、彗星を見ることができました。(16日から19日は、天気が悪く彗星は見えませんでした。)
彗星はだいぶ暗くなっていて、肉眼ではとても見ることができませんでした。双眼鏡でも、よく探さないと見逃してしまうくらいの暗さに見えました。写真でも、彗星がかなり暗くなったのがわかると思います。
暗くなったとはいえ、拡大するとまだ長い尾が見えています。
10月30日
久しぶりに晴れました。もう彗星を見るのは難しいだろうと思いましたが、一応、念のため、ダメ元で、見てみました。
肉眼ではもちろん、双眼鏡を使っても彗星を見つけることはできませんでした。
しかし、見えるはずの位置を拡大して写真を撮ってみたところ、写っていました。
空が白く飛ぶくらいまで露出をかけた8下の写真には、尾も写っているのがわかります。(尾は左上に向かって伸びています。)
東京で紫金山・アトラス彗星を見たり撮影したりするのはもう厳しいようです。
久しぶりに明るい彗星を楽しむことができました。ありがとう。
関連情報
参考
その他
変更履歴
- (2024年10月15日)彗星の位置の変化を示す写真を追加するとともに、文章やページ構成をわかりやすく整えました。
- (2024年10月16日)14日、15日に撮影した彗星の写真を追加しました。
- (2024年10月22日)20日に撮影した彗星の写真を追加しました。
- (2024年11月12日)10月30日に撮影した彗星の写真を追加しました。
脚注
- 彗星の符号は「C/2023 A3」。
- 焦点距離の長いレンズで撮りました。
- 前日の12日にも見ようとしたのですが、高度がより低かったからか、雲が多かったからか、見ることはできませんでした。彗星がありそうな位置を写真にも撮ったのですが、写っていませんでした。
- この日の東京での日の入り時刻は17時08分。
- 手を握って腕を伸ばすと、こぶしの幅がだいたい10度です。国立天文台の図では、空に描かれた破線の間の幅が10度ですので、こぶしで角度を測って彗星を探すのもよいかもしれません。
- ですから、その日の彗星の位置をしっかり調べてから観察をするのがよいと思います。
- 太陽からも地球からも遠ざかりつつあるためです。
- 露出をたくさんかけるにつれ、彗星は明るく写るようになりますが、空も同様に明るくなります。露出を控えると彗星は写りませんが、反対に露出をかけ過ぎても、彗星(に限らず天体)は空の明るさに埋もれて見えなくなってしまいます。